この記事ではあぜ板を使ったレイズドベッドの作り方をご紹介します。
この記事は次のような人におすすめです!
・安く簡単にベッドを作りたい人
・耐久力抜群のベッドを作りたい人
・イスに座って菜園作業をしたい人
あぜ板を使ったレイズドベッドですが、私は愛称を込めて【あぜ板ベッド】と呼んでいます。
このあぜ板ベッドを利用した家庭菜園を2021年から始めました。
私のベッドの作り方や野菜栽培の様子、実際に使った感想などを踏まえながら詳しく説明します。
あぜ板って何?
あぜ板とは、畦板と漢字で書きます。
あぜ板の使用目的
あぜ板の用途は、田んぼの水漏れ防止に使ったり、あぜ道と水田の境界に使ったりします。
あぜ板の材質
今回使うあぜ板の材質はポリエチレンです。
あぜ板の特徴
柔軟性に富み曲げることができ耐久性に優れています。
商品によって異なりますが10年から15年もつとも言われていますので長く使えそうですね。
ジョイント式になっているので連結して伸ばすことが可能です。
このあぜ板の特徴を利用してベッドを作ります。
あぜ板のサイズ
今回使うサイズは
横1.2m×縦(高さ)30cm×厚4.5mm
になります。
他に縦(高さ)が40cm、50cm、60cmとサイズが豊富です。
あぜ板の売っているお店
ホームセンターで販売しています。
私はジョイフルエーケー屯田店ガーデンセンターで購入しました。
他にネット通販でも購入する事ができます。
必要な材料と費用
- あぜ板 横1.2m×縦(高さ)30cm×厚4.5mm 単価481円 4枚
- あぜ板を止める支柱 太さ2cm 長さ90cm 単価107円 8本
全部で2,780円でした。
価格は2020年春のもので現在は変わっている可能性があります。
土は畑の土を再利用したので0円ですが、別途購入する場合は追加費用がかかりますのでご注意ください。
必要な材料は全てホームセンターで揃います。
支柱をあぜ板の留め具に使うのですが、樹脂製の掛矢みたいなハンマーがあるとスムーズに作業ができますのでおすすめです。
あぜ板ベッドの作り方
- あぜ板をつなぎ合わせる
- 形状を整え支柱で固定する
- 土を投入する
今回は、あぜ板4枚使って写真のサイズのベッドを作ります。
横194cm×縦(高さ)30cm×奥行80cm 容量約365リットル(満杯時)です。
- ミニトマト 5株
- キュウリ 3株
- ピーマン 5株
- ナス 3株
- ジャガイモ 14株(二条植え)
- イチゴ 12株(二条植え)
- オクラ 6株
- いんげん(つるあり) 6株
- エダマメ 12株(二条植え)
- ダイコン 14株(二条植え)
- サツマイモ 4株
あぜ板をつなぎ合わせる
あぜ板のジョイント同士をつなぎ合わせ円状にします。
ジョイントのつなぎ目が入りにくい場合はハンマー等で軽くコンコン叩くとスムーズに入ります。
強く叩くと亀裂が入ったり、受け側のコの字が裂けたりするから気をつけよう。やさしくコンコン叩きましょう。
形を整え支柱で固定する
写真のように形を整え支柱で固定します。
今回はベッドの幅を80cmにしました。
支柱は強く叩くと写真のようにグニャリと曲がってしまいます。
やさしくコンコン叩きましょう。
土を投入して完成
最後の土を投入して完成です。
たった3工程で簡単にベッドが作れます。
※途中形状が不安定になり支柱を6本から8本に増やして安定しました。
あぜ板ベッドの枚数別大きさ
畑の広さに応じてあぜ板の枚数を変えることで、あぜ板ベッドの大きさを変えることができます。
更に高さ(30,40,50,60cmの4種類)を変えることにより容量も変えれますのでカスタマイズ性に富んでいます。
あぜ板2枚バージョン
横76cm×縦(高さ)30cm×奥行76cm 容量約136リットル(満杯時)
あぜ板3枚バージョン
横135cm×縦(高さ)30cm×奥行80cm 容量約254リットル(満杯時)
あぜ板4枚バージョン
横194cm×縦(高さ)30cm×奥行80cm 容量約365リットル(満杯時)
あぜ板ベッドで野菜作り実例
私が実際にあぜ板ベッドで野菜を栽培している模様をご紹介します。
ジャガイモ
意外と思われるでしょうが、あぜ板ベッドではジャガイモ栽培が可能です。
しっかり成長してくれて収穫もできました。
出来の方も露地栽培と変わらずしっかりしたものです。
植え付け方や成長過程は下記サイト(私のアメーバブログ)にて記していますので興味のある方はご覧ください。
キュウリ
キュウリ栽培に関していえば「あぜ板ベッドは大変向いている」と感じました。
理由として、あぜ板ベッドは高畝(たかうね)な為、キュウリが好む排水性の高い土壌になるためです。
気のせいか、あぜ板ベッドに変えてからうどん粉病発生率が下がったように感じます。
以前していた露地栽培より明らかに収穫量がアップしました。
※たぶん私のキュウリ露地栽培が下手だったようです。
トマト・ミニトマト
トマトは元々乾燥に強い植物ですので、排水性の高いあぜ板ベッドとの相性は抜群で大変育てやすいです。
雨が降ると水分を吸収し過ぎてトマトが割れる「裂果」がありますが、それを防ぐ雨除けをあぜ板ベッドでも設置できます。
毎年果実が鈴なりになって美味しいトマトが収穫出来ます。
エダマメ × ニンジン
こちらはエダマメとニンジンの混植です。
お互い共生作用があるコンパニオンプランツの役割を果たしています。
密植栽培+2株植えの複合技で管理することで、あぜ板ベッドの様な狭いスペースでも多収量が見込めるのがエダマメのいいところですね。
サツマイモ
サツマイモも栽培可能です。
蔓を伸ばすサツマイモですが、このように外に逃がせば問題ありませんでした。
しっかりした太いサツマイモが収穫出来ました。
落花生
落花生は排水性の高い土壌を好みますので、あぜ板ベッドとの相性も抜群です。
この収穫したての生落花生を茹でて食べると病みつきになる美味しさで、一度食べると忘れられない味になりますので、みなさまにも是非挑戦してほしい野菜の一つです。
長ネギ
長ネギ栽培はジャガイモ同様に土寄せが必要になる野菜です。
しかし穴底植えという土壌表面に穴をあけてそこに落とし込む栽培方法だと容易に栽培ができます。
このようにしっかりした長ネギが収穫出来ました。
あぜ板ベッドは長ネギの保管庫の役割もしていて、いつも使う分だけ引っこ抜いています。
ホウレンソウ(寒締め)
2022年の秋植えで実験的に栽培しました。
長ネギ同様に、あぜ板ベッドを保管庫代わりにできましたので息の長い収穫が可能で大変便利です。
寒締めホウレンソウは今後もやっていきたいと思います。
ニラ
2022年に実験的にあぜ板ベッドで栽培しました。
ニラは無理にあぜ板ベッドでやる必要はないかな?と思いましたが、成長力と収穫回数がプランター栽培より良かったのでアリと考えます。
元々ニラは露地栽培で畑の隅っこで植えたり、コンパニオンプランツとしてアスパラ、ピーマン、ナスと混植に向いています。大変強い野菜で植え替えを苦にしませんので、家庭菜園では畝を作って面で栽培するより、コンパニオンプランツとしてスポットで栽培する点で作った方が便利と考えます。
支柱を変えてスタイリッシュに
あぜ板ベッドをお考えの方で
見た目にもこだわりたいなぁ~!
とお悩みに方へ、支柱を変えてスッキリ見せる方法をご紹介いたします。
アゼシートささえで見た目が劇的に変化!
こちらは第一ビニールさんの「アゼシートささえ(50本入) 径11mm×55cm」になります。
あぜ板ベッドと同じ黒と同色ですので、見た目にもスッキリするでしょう。
実際にグリーン支柱からアゼシートささえに変更してみましたのでご紹介します。
アゼシートささえ設置方法
①まずはこのグリーン支柱を引っこ抜く
結構深く打ち込んであるので抜くのに一苦労しました。
②アゼシートささえの打ち込む当たりをつける
今回ささえを板の内側に設置しました。
理由として、本来外側の方が押さえとしてはいいのですが、草刈りする際に外側に設置すると、草刈り機で切断しかねないと思ったためです。
また、ささえのフックが意外と強力に出来ており、土を入れたりした際に外側に膨れるのですが、現状ではフックが機能してしっかりと押さえているので問題ないと判断しました。
内側に設置すれば、草刈り機があぜ板ベッドに当たっても弾き返してくれるので作業能率が上がります。
私のように、草刈り機等のアイテムを使わない方は外側に設置で問題ないでしょう。
③優しくゆっくりとハンマーで打ち込む
コンコンと優しくゆっくり打ち込みます。
ここ、大変デリケートです!
強く叩くとフックが割れる可能性がありますので、優しくゆっくりコンコンと叩きましょう。
こんな感じでフックが収まれば完成です。
あぜ板ベッドの枚数別おすすめ必要本数
あぜ板2枚必要本数 2本
あぜ板ベッド2枚バージョンだと、土の圧力よりあぜ板のジョイントされたパワーの方が上なので正直必要ないと思います。
ですが、やはりアゼシートささえを使うと、しっかりと固定されるのでおすすめです。
あぜ板3枚必要本数 4本
あぜ板ベッド3枚バージョンでは土の圧力の方が勝ってきますので、アゼシートささえがあると見た目にも綺麗に仕上がります。
あぜ板4枚必要本数 8本
あぜ板ベッド3枚バージョンは、土の圧力が勝りますので必ず押さえが必要になります。
アゼシートささえ8本以上あると、あぜ板ベッドもしっかり固定されて見た目も綺麗に仕上がりますね。
見た目が綺麗に仕上がる「アゼシートささえ」はアリ!
無骨なあぜ板ベッドとはいえ、やっぱり見た目も重視したいね!
そんな考えをお持ちの方には非常におすすめのアイテムになります。
私も今回設置して、見た目もスッキリしたことにより更にこのあぜ板ベッド愛が深まりました。
あぜ板ベッドのメリット・デメリット
私が感じたあぜ板ベッドのメリット・デメリットを紹介します。
あぜ板ベッドのメリット
あぜ板レイズドベッドのメリットを紹介します。
レイズドベッドというと、たくさんの材料、工程、時間を要しますが、あぜ板ベッドは接続して形整えて土入れて完成ですので、慣れてくると1時間も掛からず完成できます。私みたいなせっかちな人間には、苗さえあればその日に植え付けまで出来てしまうスピード感が気に入っています。
また、あぜ板という特性上大変丈夫にできており、ちょっとやそっとじゃ壊れない素材でできています。草刈り機の刃ですら弾き返すタフさ、どんな天候にも順応する柔軟さを兼ね備えてます。
高さや広さなどのカスタマイズ性に大変富んでおり、トンネルやマルチの設置もそつなくこなし、露地栽培と何ら変わらないです。
あぜ板ベッドのデメリット
あぜ板レイズドベッドのデメリットを紹介します。
大変タフな素材構成上、一枚一枚が結構重いです。組み立てる時に女性だと少し大変かと思います。
またこの素材のものは色が黒しかなく、たくさん設置すると単調で面白みにかけるかもしれません。
あぜ板ベッドのここがイチオシ!『草刈り機との相性抜群』
私は草取りを草刈り機で一気にやっちゃうのですが、刃先があぜ板ベッドにぶつかっても破損の心配が無いので思いっきりやっています。
私の菜園は、いつもこんな感じに雑草が生い茂りますが、あぜ板ベッドとの境界にある雑草もガンガン攻めます。
刈った雑草はいつもそのまま放置しています。
この雑草が、益虫の隠れ家になったり、このまま堆肥になったりするので有効活用です。
このように、あぜ板ベッドにすると草刈り機で気兼ねなく雑草を粉砕できるので、草取りのストレスから解放されます。
草刈り機も私が使っているようなガソリン式ではなく充電式のものだと、置き場やメンテナンスに悩むことが無いのでおすすめです。
あぜ板ベッドを使った感想
私はメリットの方が勝っているので好んであぜ板ベッドを使っています。
その中でもイスの腰かけて作業ができることが身体の負担軽減になって助かっています。
※メリットデメリットは、あくまで個人的な意見ですので参考までにお願いします。
あぜ板ベッドはこんな人に向いている?
私は、あぜ板ベッドを使い「このベッドはこういう人が向ているのでは?」と思いました。
足腰膝の弱い方
家庭菜園の作業は、立ち上がったり、しゃがんだりといったスクワットのような動きが多いです。
また、中腰のままの体勢で作業を行うことも多く、齢を重ねていくうちに身体の負担になっていくでしょう。
その点、あぜ板ベッドではイスに腰かけて作業を行うことができますので身体の負担軽減になります。
私も年々中腰姿勢がきつくなり
楽な姿勢で作業できないかな?
と模索してあぜ板ベッドに辿り着いた一人です。
車いすの方
車いすの方でも家庭菜園を楽しむ手段の一つとしてホームベジトラグというバリアフリーガーデンが有名です。
写真のように身近に野菜に触れる事ができるので、車いすの方にとっては最高のツールでしょう。
あぜ板ベッドも高さも60cmまでありますので、スペースは必要なものの設置の手間も3ステップと作業の手間を省き、費用も格段に抑える事ができます。サイズのバリエーションもありカスタマイズ性に富みますので代用は可能と考えます。
私がこういう風に考えるのには理由があります。
母の膝が年々状態が悪くなっていて
この調子じゃ将来車いすに座るだろうな。
でも趣味の家庭菜園はやらせたい。
刺激にもなってボケ防止にもなるだろう。
あぜ板ベッドなら目線もあるし可能ではないか?
と常日頃考えていたからです。
やっぱりどんなに年を重ね老いても趣味の家庭菜園はやらせたいし本人もそう思っているでしょう。
このあぜ板ベッドが一役買ってくれればいいなと思っています。
まとめ
この記事では私が家庭菜園で使っているあぜ板ベッドの作り方、野菜栽培の様子、実際に使った感想などを踏まえながら詳しく説明しました。
ただ注意事項が1点あります。まずは1つだけ設置してみて使い心地を必ず試してください。
高さも人によって目線が違いますので自分に合った高さのものを選ぶといいでしょう。
私は、本格的な木製レイズドベッドを作ろうと思い、作り方を調べたらとんでもなく大変な作業と思いしらされました。
私にはそんな作る技術はありません。
しかし、このあぜ板ベッドは決してオシャレではありませんが3ステップで簡単に設置でき、費用も時間もそれほど掛からずコストパフォーマンスに優れていると思います。
私と同じ悩みの方の参考になれば幸いです。
みなさん!楽しい家庭菜園ライフを!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして。
レイズドベッドで検索して辿り着きました。
あぜ板のレイズドベッド、挑戦してみたいと思っています。
あぜ板は少し土に埋め込むのでしょうか?
置いているだけなのでしょうか?
マロンさん初めまして。
私の場合、あぜ板を置いているだけです。
でも、マロンさんのコメントにある「少し土に埋め込む」方が、あぜ板下部からの土壌流出が防げると思いますので、大変素晴らしい設置方法だと思います。
あぜ板ベッドはローコストで簡単にベッドが完成しますので是非チャレンジしてください。